2016-08-31

川俣シャモの公式ゆるキャラ「シャーモくん」が強烈に記憶に残る、の巻。

ようこそ。Scriptaをご覧いただきましてありがとうございます。
キサラギ@kisaragi_Virです。

不立文字、教外別伝、直指人心、見性成仏

禅の言葉に言う不立文字という教え。世に数多ある文字や言葉では伝えられないものが存在します。言葉の外にある悟り、つまり積み重ねた経験によって得られるコトに真髄はある、というものです。僕は今日その真髄をひとつ経験することができました。
(導入だけはまともな文章ですが、あとはひたすら駄文ですので肩の力を抜いてお楽しみください。)

それは僕の住む福島県は川俣市が、地域の名産品である「川俣シャモ」をアピールするために作ったゆるキャラ、「シャーモくん」の前衛的な姿から学ぶことができたのですが、まずはその「ゆるキャラ」の定義から再確認していきましょう。
hiyoko
みなさんご存知の「ゆるキャラ」提唱者は漫画家、イラストレーターとして著名なみうらじゅん氏。氏はゆるキャラの定義として三カ条を明文化しています。内容は以下の通りです。

第一条 郷土愛に満ち溢れた強いメッセージ性があること。
第二条 立ち居振る舞いが不安定かつユニークであること。
第三条 愛すべき、ゆるさ、を持ち合わせていること。

代表選手は熊本のくまモンや船橋のふなっしー。彼らは地域どころか日本中で愛される、超有名キャラクターです。ただしその反面、作られても有名になりきれずに埋もれていくキャラクターも星の数ほどあります。

行政などが当たり障りのない妥当な線で作ったものの、ありきたりの日和ったキャラクター設定によってインパクトが薄れていることなどが考えられるのですが、「シャーモくん」はそこに一石を投じた存在であるといえるでしょう。

特筆すべきシャーモくんの立ち位置。

なぜなら、「シャーモくん」はゆるキャラ三カ条の括りで語れる簡単なキャラクターではないからです。
具体的には、まず第二条の「不安定かつユニーク」の部分。「不安定」は間違いなくクリアしていますが「ユニーク」には疑問が残ります。どちらかといえば「職人による追求されたリアリティ」な味付けがなされていて、記号化することで分かりやすいアイコンにするのではなく、逆に鶏本来のクオリティを高めてきているのです

ですので見た第一印象は「え?キモっ!」という軽い驚きと同時に「どうして?」という多少の好奇心が発生して、いわゆる怖いのも見たさに近い心理が働くと考えられます。この時点で心にしっかりと爪痕は残しているのでマーケティングとしては成功していると思います。シャモだけに。

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第三条の「愛すべき、ゆるさ」の部分は受け手の感受性に委ねるところが多いのではないかと。プロのデザイナーによってガッチガチにプロデュースされた完全体セルのようなくまモンに比べて、良い意味でポンコツ感はあるので地方独特のゆるさはあります。愛され属性に関してはなんとも言えないのですが、日本全国の鶏フェチにはきっとこういうキャラを待ち望んでいた方もきっといるかと…。

そして何より、このキャラクターが特に印象に残るのは第一条の「強いメッセージ性」です。この部分に関しては異常なまでに強いアピールがあります。一回見たら忘れることはないであろうそのディティール、そこを強烈に一点突破してきているのです。これは文章ではうまく伝わらなそうなので、下に写真を貼ってますから観てください。僕に言えるのはそれだけです…。

そもそも福島の名産というとメジャーなのは「伊達鶏」。ただ、伊達鶏に関しては公式なゆるキャラは存在していないようですから、今のところ県の鶏キャラの座は空位なのですが、そこに打って出たのがこの「川俣シャモ」のシャーモくん。やはり目のつけどころが違いますね。
川俣シャモ – 川俣町公式ホームページ
伊達とり倶楽部 | トップページ
で、ここにありふれた可愛いキャラ設定を振ってくるのが定石であるとは思われるのですが、そうしないのが面白いところ。これを狙ってやっているのか、結果的にそうなったのかはわからないのですが。

と、長く前置きを書きましたが、そのお姿をご覧頂きましょうか。

 

syamo
syamo2
shamo3
どうです?

すごくないですか?

すごく…ない…?

愛されるだけじゃ、飽きられちゃうから…。

ゆるキャラっていうのは子供に愛されて抱きつかれたり、ラクガキとして描かれたり。そういったアイコンとしての役割があると思うのですが、そのあたりの性能はあまり重要視されてはいないのではないかと。
現に子供達のリアクションは秋田の「なまはげ」に遭遇した時と同じようなものみたいですし、記憶に残る広報のやり方としては実に面白いですね。

もちろん実際に活動している動画なんかがあれば、きっと愛嬌たっぷりにファンサービスをしていることは間違いないのでしょうけど、この画像だけ見ていると「退かぬ、媚びぬ、省みぬ!」の北斗の拳でいうサウザー感がハンパないです。

完っ全に「鶏」の性能にフォーカスしたパラメータの振り方。ロールプレイングゲームでいえば全部のレベルアップボーナスを力と体力に降った脳筋タイプの戦士、破壊力特化型、壁は壊せるけど割と簡単に水に溺れるやつ。

たぶん、小さなお子様はこのキャラクターをラクガキはしにくいと思うんです。それでも、その巨体と異様は確実に脳内保存されるはず。サンリオピューロランドには多分いないけど、シン・ゴジラに出てきても違和感がない特撮感溢れる姿はある意味、男の子の知的探究心をくすぐるかもしれませんね。

川俣シャモの振興イベントには出ているようですので美味しい鶏と一緒になんか変なのいたなあ、と思い出せればいいのでしょうから、その辺りの役割は存分に性能を発揮しているのではないかと。

強いて「ゆるさ」の部分を考察するとすれば、足元だけがちょっと可愛い。異常にリアルな鶏ボディの部分と黄色いあんよの落差で「不安定」が表現されていますね。(このあたりのフォローがだいぶ厳しい…。)

一応、来歴はちょっと調べてみました。2013年くらいから活動しているような形跡はあるのでそれなりに実績は積んでいるようですけど、僕の地元愛が足りなかったためか今日までその存在を知らなかったのは不勉強の至り。こんなに面白いのを知らなかったって損してましたわ。

言葉でも文章でも伝わらないこの面白さ。要は一回観てクスッとしてくれたらいいなあ。でもそれだけじゃなくて、せっかく見て頂いたんですから福島県の川俣シャモ、覚えてくれたら嬉しいな。と思います。
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駄文にお付合い頂きましてありがとうございます。
よければまた観てくださいね。それではこのあたりで。merci ♪

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  • ちょwwwゆるキャラ界に超絶ホラーなやつらが紛れてる | ちょっと気になるニュース へ返信する コメントをキャンセル

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