2016-06-02

救急車を呼んでみたらいろいろと勉強になったハナシ。

ようこそ。Avenir.infをご覧いただきましてありがとうございます。
キサラギ@kisaragi_Virです。

いやあ。生きているといろいろな初体験がありますけど、自発的に何かをやってみてうまくいった。タメになった。みたいな経験や、はたまた逆にイベントごとが向こうからやってきて図らずも遭遇する経験、なんてパターンもあります。

結果から書いてしまえば今回の経験は後者の方で、人生初の救急車経験、というものをさせていただきました。とはいえ運ばれたのは僕ではないんですが…。人間、咄嗟の行動がいかに難しいかを知る良い試金石にはなりましたね。むむむ、と。今日はそんなおはなし。

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photo credit: Practice? via photopin (license)

これを書いているのが全て落ち着いて、ちょっと整理もついたこともあってのことではあるのですけど、遡ること2ヶ月くらいになりますかね。仕事が終わって自宅に戻り、晩御飯をいただいた後にぽこぽことPCを叩いていたあたりの時間ですから21時くらいだったと思います。

その日は父がちょっと体調を崩しているとは聞いていたのですが、一日しっかり休んでも良くないというのでお風呂で体を温めて早めに休む、という話だったんです。まあ、季節の変わり目でもあるし大事をとった方がいいよね、みたいな感じで普通にぽこぽこPCの打ち込みを続けていました。

父は普段、それほど入浴時間が長い方ではないのですが、その日に限っていやに浸かっている長いんです。30分近く経っても浴室から出てこないので流石におかしい、と思ったので外から声をかけても何の返事もない。いよいよもっておかしいと思って扉を開けたら浴槽で気を失って溺れていたんですね。まあ、びっくりしましたよ。

とりあえず家族を呼んで何とかしようと考えたわけですけど、これ、どうにもならないんです。まずは成人男性一人、浴槽から出すのがどれだけ難しいかはすぐにわかるんです。その上で浴槽から出すのが正しいのかどうかがわからないんですね。急激に温度変化とかさせると体に良くないような気もしますし、かといってこのまま入れているのも明らかにおかしいです。

どっちつかずではあったのですが、折衷案で浴槽のお湯を抜いて半分くらいまで体が外気にあたるようにして、とりあえずは安定した状態になったんじゃないかと。

とはいえ仮に、ここから出したところでこんな夜に開いてる病院もないわけですし横にしていても多分良くなることはないでしょうから、僕たちだけではどうにもならない「お手上げ」状態なのはすぐに判断がつきました。

「救急車を呼ぼう。」

いやはや119番をコールする日が来るとはねえ。なんて思いつつ電話をかけるとすぐにオペレーターに繋がりまして。「いつ、どこで」、「なぜそれが起こったか」、「当人の現在の状況はどうなのか」、まあ、一通りいろいろ聞かれました。結構長いこと喋っていたので家族からは「もっと手短に話して早く救急車を出してもらってくれ」と突っ込まれていましたが、着信があった早い段階で救急車はスタートしていたようです。電話を切って10分もしないうちに自宅まで到着しましたから。

近所に到着した救急車を誘導して自宅まで。乗っていた救命士の方が3人だったかな。屈強な男が来ると心強いですね。あっという間に浴槽から担架に父を移し替えて救急車内での診断を開始してくださいました。幸いにも車内に入ったあたりから父の意識が戻り始めたので、最悪の状況は回避できたようなのですが、ここでは原因もわからないし治療もできないので救急病院に搬送します、ということになったわけです。

「ご家族の方もご一緒にお願いいたします。」

いやはや実際にこんなセリフを聞く日が来るとはなあ。とりあえず一命は確保できたので多少は余裕ができたとはいえ、この時の気分は実に複雑でした。身の回りのものや身分証、携帯やら財布やら。父の最低限必要なものを、がさーっとバッグに入れて救急車に飛び乗ってピーポーピーポー15分くらい揺られて当番医のいる救急病院まで運ばれました。

移動中の車内では父に普段はどんな持病があるか、かかりつけの医者はどこか、今日、こうなる前に予兆はなかったか、まあ、いろいろ聞かれました。結構知っているつもりでしたけど、急にこうしてちゃんと聞かれると、案外覚えていないものですね。これは本当にいけないと反省したところです。

そんなこんなで夜中の救急病院の当番医にお願いして緊急の手当てをしていただいたところでようやく一息つけました。ここまで多分、そんなに長い時間ではないんですけど、どっと疲れましたね。とはいえここから方々に電話で連絡をすることになったのであながち落ち着いたわけでもなかったのですが。

で、電話をしていた途中で、診察室から出てきた看護士さんに呼び止められてこんなことを聞かれたりしました。

看護士 「お薬手帳は今日、持ってきてますか?」

僕 「お薬手帳…? ああ。そんなのありましたねえ…。」

看護士 「普段飲んでいる薬がわからないと、今回の症状に対するお薬の処方が難しいんです。」

僕 「はあ。仰る通りですね。自宅に置いてきちゃいました…。」

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photo credit: Amoxicillin via photopin (license)

財布だ、携帯だ、身分証だ、なんていう問題ではないんですね。これはちょっと考えれば想像がついたのかもしれないけど、こういう突然の出来事になると、なかなかうまくは対応できないものだと痛感しました。

その後、深夜遅くまで検査が続きまして、そのまま即入院の流れとなりました。いろいろと診断をした結果として、脳に一時的な障害があるとのことで不安定な状況が続きましたので、しばらくの間は入院と退院を繰り返すことになったのですが、それもようやく、先月の末をもってひと段落。何事もなかったような時間が戻ってきましたけど、これを繰り返さないようにしないといけないな、と。

そんなこんなで今回のドタバタで僕が学んだこと。

  1. 家族のかかりつけ医はもちろん、どんな薬を処方されているのか、ある程度は把握しておくこと。
  2. 高齢者の体調の悪い時の入浴は本当に危険なので、それでも浸かりたいという希望をする時は湯温を確認の上、時間を決めて入浴すること。
  3. 救急車は思った以上に早く到着するので、電話の時にはあわてなくても大丈夫。大事なことはゆっくり考えて答えよう。
  4. 存外に「お薬手帳」は大事。こういう時にちゃんと機能するように日頃から投薬記録は正しく残しておくこと。

いろいろ大変でしたけど、良い経験をさせてもらった。と今なら思えるかも。

Nothing is a waste of time if you use the experience wisely.

経験を賢く生かすならば、何事も無駄ではない。

Auguste Rodin

よければまた観てくださいね。それではこのあたりで。merci ♪

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