2016-07-30

謎のヴェールに包まれたシン・ゴジラ公開!エヴァ好きなら絶対観るべし。

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キサラギ@kisaragi_Virです。

この夏一番の話題作、「エヴァンゲリオン」の庵野秀明さんと「日本沈没」の樋口真嗣監督がタッグを組んだ映画「シン・ゴジラ」。公開直後にお休みが取れたので早速観劇してきました。事前情報も少なく、どんな仕上がりになったのかはもちろん、今回のゴジラがどんな暴れっぷりを披露するのかも含めてとても楽しみでしたので早速チェックしてきましたよ〜。

(今作はまだ画像がほとんど出てないので文章ばかりになってます。多少のネタバレは含みますが結末に関しては書いておりません。というかこのシリーズの終わり方はある程度、様式美みたいなものがあるのではないかとは思いますが…。)

とはいえ振り返ってみると日本で制作されたゴジラムービーの前作はすでに12年前。僕自身あまり覚えていないですし、むしろハリウッドでリメイクされた方の印象しかありませんので、いわゆる「ゴジラ初心者」なわけですので、そういうスタンスでの感想になることはあらかじめご了承を。
こっちの分野の特撮映画ファンからすれば並々ならぬ熱量で劇場に向かっているはずですのでそこまで尖った観かたをしているわけではないんですがw。
映画『シン・ゴジラ』公式サイト

未曾有の大災害が起きた後だからこそ。

東京湾の羽田沖、東京湾アクアラインで謎の崩落事故が発生。海面が謎の変色を起こした後、湾内で爆発を起こします。時の内閣は緊急会議を立ち上げて事態の把握に努めます。
当初は海底火山の噴火として事態の収拾を計りますが、直後民間のテレビカメラによって映し出されたのは見たこともない大きさの巨大な「尻尾」。常識では考えられない事態に当初は懐疑的な意見も多数あり会議は紛糾するのですが、まもなく海底に住む「巨大不明生物」の存在が確認され、日本政府は事態の把握と解決に死力を尽くす、と。こういう筋書きです。

ゴジラといえばこれまでのシリーズでも海洋に廃棄された放射性物資から生み出された、とされることが多いです。今作もそういったところに大きな変更はないのですが、2016年の今、この時期に作品して出てくると観かたが変わってきますよね。

12年前のゴジラと今のゴジラの間には、まだ記憶に新しい「東日本大震災」そして福島での原発事故があります。僕たちは核の、放射能の脅威を知っています。

人間の予想を遥かに超えた災害と言うものを肌身で感じています。実際にあった災害と、都市破壊を前提にした特撮映画を同軸上で語るのは正しいのかはわかりませんが、きっとそういう人々の記憶があった上での今作なんだと。

ですから、どうしようもないレベルでの災害に立ち向かう姿に対する「こちら側」の受け止め方がよりリアルに感じられるはずです。

そこにあるのは「パニックムービー」ではなく、「特撮映画」であると同時に政府、官僚、自衛隊、そして国民。まさにオールジャパンで人の叡智を超えた災害に立ち向かう日本人を描いたヒューマンドラマであると思います。

大杉漣さん演じる大河内総理以下、長谷川博巳さん演じる谷口内閣官房副長官、竹野内豊さん演じる赤坂内閣総理大臣補佐官を中心とした豪華キャストでの日本政府首脳陣が未曾有の危機に直面しながら刻々と変化する事態に迅速に対応しようとするものの、閣議、会議を経て承認が得られないと行動が起こせない。
国家という巨大な船は簡単に舵を切ることができないわけで、そのもどかしさと自然の脅威に立ち向かうことの難しさをうまく表現していると感じました。

技術的にゴジラを分析し、弱点を探り、打開を図る専門チームには尾頭ヒロミ役に市川実日子さんをはじめ、高橋一生さん、高良健吾さんなど個性的なメンバーが揃います。個人的には市川さんの演じた、淡々と物事に対応する姿がよかったです。最後の笑顔のシーンは反則だと思いますけどねw。

同盟国、アメリカ特使のカヨコ・アン・パタースン役の石原さとみさんにはちょっとだけ疑問かな。日本人の祖母を持つ特使、という設定なのはわかるのですが、ちょっとだけ浮いてたかもしれないですねえ…。

最後にまさかのゴジラ役として直前に公開された情報で、モーションの部分を狂言師の野村萬斎さんが演じられているそうです。だけど、正直何がどうすごいのかはわからなかったっス…。

とにかく演者さんの数が多いですから後は実際に観ていただいた方が早いかと。

エヴァンゲリオンとゴジラの親和性

庵野秀明さんを迎えただけあって、随所にエヴァ的な要素が見られます。会議シーンのカット割り、こちら側の理解に関係なく矢継ぎ早に画面に流れる明朝体の専門用語、そして会議の際に流れる音楽に至ってはまんまエヴァw。
使徒の部分をゴジラに置き換えて、ヤシマ作戦的なことをアニメではなく実写とCGを使って思う存分にやりきったんじゃないかと思います。
正直、樋口真嗣監督の「日本沈没」「ローレライ」はあまり好きじゃないんですが、今作はものすごい仕上がりになっています。
最新の10式戦車に戦闘ヘリのアパッチ、イージス艦と自衛隊の持ちうる全戦力を持って多摩川に防衛陣を敷く展開は圧巻ですし、後半からは米軍の爆撃機による支援、そして終盤に出てくる東京の鉄道インフラ全てを利用した爆破作戦など、これを見てテンションの上がらない男子がいるでしょうか?まさに胸熱です。

人類の持つ、能うかぎり全ての攻撃をしてもなお、爆炎の中から悠然と現れるゴジラの姿はネルフの全力を持っても倒れない使徒姿と同じで、この絶望的な状況からどういう風に話が展開するのだろうとワクワクしますし、何よりこのクオリティで映画が見られることは大いなる喜び以外の何物でもありません。

ちなみに、最初に姿を現わすゴジラはちょっとだけ予想外です。
「あれ?」と思うんですけど、こいつは物凄い勢いで進化します。終盤で完全体になるゴジラの猛攻。都市を焼き払い構想ビルをなぎ倒す演出にはビリビリに鳥肌立ちっぱなしですよ。

庵野秀明、樋口真嗣コンビで2012年に製作された、「エヴァンゲリオン新劇場版:Q」公開の際に同時上映された「巨神兵東京に現る」という作品がありました。特撮とCGを組み合わせたショートムービーとして記憶に新しい方も多いとは思いますが、まさにこれの進化版。

エヴァとゴジラの歴史が交差したこの作品は、日本の特撮映画におけるマスターピースのひとつ、と呼ばれることになるんじゃないかとさえ思えます。

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震災後の日本人の魂を鼓舞する傑作では!

大臣、官僚、自衛隊目線が多く、国民目線が少ない部分はあるとは思うのですが、事態に対応すべく国家という巨船を導き、緻密な計画を起こし実行していく、たくましい日本政府首脳陣は見ていて好感が持てます。

政治家、官僚がこの国の復興をかけて世界を相手に駆け引きし、自衛隊が米軍と連携しながら規律を保ちつつ災害に立ち向かう。人々は政府主導のもと、計画的に首都圏から避難していく。

ゴジラの姿をした未曾有の危機を打破していく日本人の団結がそこにはあり、実際に起きた東日本大震災から立ち直りつつある、現代の日本へのエールとも言える作品と言えるでしょう。

情報量も多く、演出を理解するのは一回では難しい部分もあると思うので何度か観るのも多いにアリ。正直演者さんの数がすごすぎて、後からもう一回ちゃんと観ておきたいなあ、と思うところはかなりあります。

小難しい言葉が多いので、小さいお子様向けではないかとは思いますが、成人男子諸君は楽しめること請け合い。個人的には観て損ナシ!むしろ観るべき作品かと。それも自宅のTV画面じゃなくて映画館の大スクリーンで観ることで最大限に楽しむべき作品です!夏休みの話題作、楽しんでみてはいかがですか〜?

よければまた観てくださいね。それではこのあたりで。

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