映画 TOO YOUNG TO DIE! 極彩色の地獄ムービーが楽しい!
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キサラギ@kisaragi_Virです。
どうも最近のお天気は不安定で雨が降ったり寒かったり。こんな日は映画館でジュースなど飲みながら話題の映画を観るに限ります。ということで今回は宮藤官九郎さんが監督されているコメディ「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」を観てきました。なんかね、何も考えずに笑いたい気分の時にちょうどいい作品でしたよ。
映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』公式サイト
あらすじ
ふつう、ここでこの作品に対する事前の情報をきちんと書くのが正しいレビューだとは思うんですけど、この作品に関しては内容は濃いんですがシナリオの内容が濃密だとか伏線が難しいとか、そういう「濃い」んじゃなくて、ひたすらキャラの味付けだけが異様に「濃い」んです。そして音楽面でヘヴィメタルの要素が多く取り入れられていますから大事なシーンは基本爆音です。何かを考えさせられる、というわけではなく、思考停止して「このどんちゃん騒ぎ、どこに落ち着くんだろ〜。」くらいの感覚で観てましたが実に楽しい時間でした。
一応、公式から転載ですとこうなっています。
フツーの高校生・大助は、同級生のひろ美ちゃんのことが大好き。修学旅行中のある日、大助は不慮の事故に遭ってしまう。目覚めるとそこは―深紅に染まった空と炎、ドクロが転がり、人々が責め苦を受ける、ホンモノの【地獄】だった!! なんで俺だけ!? まだキスもしたことないのに、このまま死ぬには若すぎる!!
慌てる大助を待ち受けていたのは、地獄農業高校の軽音楽部顧問で、地獄専属ロックバンド・地獄図を率いる赤鬼のキラーK。
キラーKによると、なんと、えんま様の裁きにより現世に転生するチャンスがあるという!
キラーKの“鬼特訓”のもと、生き返りを賭けた、大助の地獄めぐりが幕を明ける!!!!!
もうね。序盤の序盤で本当にあっさり死にます。でも、そこには何の悲壮感もありません。不慮の事故でいきなり地獄デビューする大助が地獄の高校に通いながら、現世への転生に悪戦苦闘する姿を描いた作品なんですけど、実にクドカンらしいジェットコースタームービー。ガシャガシャしているうちに地獄生活がふつうのことになっていて、時折えんま様の裁きで残念なカタチで転生するとちょっとだけ現世に戻れる、という扱い。
ただし、帰ってくるときには人間の姿で戻れる訳ではないので、その辺りがすごくもどかしいんですけど、ちょっとだけ生きていた場所にいた人たちの変化を知ることができるんです。この映画の肝となるのが「地獄での一週間は人間界の10年と同じ」というルールがあって、これがこの作品を面白くしているポイントだと思うんですが、残念な人間以外の姿で現世に戻れた時に、なんとか愛しのひろ美ちゃんに会いに行こうとするけど、当然ながらうまくいくわけもなく。
それでも転生するを繰り返すたびにどんどん時間は進みますから、高校生だったひろ美ちゃんはやがて大人の女性になり、大助との年齢的なバランスは取れなくなっていくんだけど、そのあたりの恋愛の機微は、生きていた時に使ったプロポーズまがいの台詞とリンクしていてちゃんとひとつのドラマとしてまとまっています。どんな結末を迎えるのかは劇場で…。
輪廻転生を繰り返していくうちに地獄の鬼たちと絆が結ばれていくというある意味、ほのぼのした地獄ライフを過ごすことになる高校生、大助の活躍を楽しんだらいいと思います。
怪演?快演?
とにかくね。僕にとってこの作品の面白さの核になったのは大助を演じる神木隆之介さんの演技でした。フツーの高校生、っていう設定ですけど、フツーにウザくてフツーにチャラい。よくいるイラッとする今時の高校生を見事に切り取って表現されていると思います。
彼のこれまでの出演作を通しても「神経質で面倒な感じの繊細なヤツ」の役回りをやっていることが多くて、そういう役をやらせたら相当うまいとは思うんですけど、それが今回はいつもに増してポジティブな方向に打たれ強いタイプのイタイ奴を好演しておられます。
監督の宮藤官九郎さんとは以前に「11人もいる!」というドラマでお仕事を一緒にされているんですけど、その時も「ゲイバーでアルバイトをしているのを父親に見つかってゲイと勘違いされる」っていう面倒極まりない役どころを演じられていたことがあったので、今作ではその上をいくドMな演技を求められてたんでしょーね。見事にやりきった感が出ていますよ〜。
今回の舞台は地獄なので当然、拷問されたり痛い目を見ることがほとんどなんです。だけどこんなに荒縄で縛られてもなお爽やかに生き生きしている亡者はそうそういないでしょー。っていうくらいにはっちゃけた芝居を全開で演じられてますので、全国の神木隆之介ファンは必ず見ておいたほうがいい作品ですよ。
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クドカン組の安定感
主役の神木さんが面白いのは当然ですが、傍を固める役者陣も安定のメンバーが揃います。もう一人の主役で地獄の鬼、キラーKを演じるTOKIOの長瀬智也さんもはまり役ですね。「IWGP」、「タイガー&ドラゴン」でクドカン作品には出演されていますけど、ジャニーズらしからぬ兄貴肌のヤクザっぽい男を演じさせたら上手いと思うのですが、今作ではヤクザの上をいく「鬼」。なんで面白さにさらに磨きがかかっています。(この鬼、豪放磊落なキャラなんですけど、人間だった頃の未練が原因で意外と繊細な一面もあって、そのギャップが面白いんですよ。)
えんま様を演じる古田新太さん、クラスメート役を演じる皆川猿時さん、このあたりはクドカン組の常連さん。どちらも芝居が濃い。クドイ。でも楽しい。
両人は出てくると、「あ〜今回はこんなキャラなのね。」という確認をするくらいにおなじみです。
尾野真千子さんも「謝罪の王様」で共演、桐谷健太さんとは「木更津キャッツアイ」で一緒に仕事をされているようですね。(今回はどちらも鬼の役ですけど、メイクが濃いので言われてみてもよく分からないんですがw。)
他にも、ひろ美ちゃんを森川葵さん、大人になったひろ美ちゃんを演じる宮沢りえさん、古舘寛治さん、荒川良々さん、シシドカフカさん、坂井真紀さん、などなど豪華な配役になっています。
ラーメンズの片桐仁さんはどこに出てたか後から知りましたけどね…。
音楽界からも豪華ゲストが。
この作品、配役の豪華さがちょい役に出てくるミュージシャンの多さも特長です。
野村義男さん、マーティ・フリードマンさん、ROLLYさん、みうらじゅんさん、Charさん、木村充揮さん、快速東京さん、ゴンゾーさん(この人はタンバリン芸人ですなあ…。)とすごい人たちがあまり重要ではないところでのびのびと演じていらっしゃいます。
ヘヴィメタルな作風の今作を彩る大事な部分をしっかりと骨太に仕上げられているのはこういった部分がきっちりできているからで、ここをちゃんと味わうためには爆音上映で観られる映画館じゃなきゃいけないと思います。
ここで音楽に詳しければもっといろいろ書けるんだと思うんですけど、気の利いたことがかけなくてぐぬぬ、としてはいるんです…。
まとめ。
とまあ、いろいろ書かせていただきましたけど、全体を通して楽しい映画でした。
上品な作品じゃありませんし、頭を使うような難しいテーマじゃありません。恋に飢えた一人の不器用な青年が死んだ後に悪戦苦闘しながら手に入れたのは何だったのか。小気味良いテンポで味わえるジェットコースタームービー&ライブ。おすすめです。梅雨時のジメジメ気分を吹っ飛ばすならいーんじゃないですかあ?
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よければまた観てくださいね。それではこのあたりで。merci ♪
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