2014-05-24

映画 「相棒 劇場版Ⅲ」新たな挑戦に感じたこと。

ようこそ。Scriptaをご覧いただきましてありがとうございます。
キサラギ@kisaragi_Virです。

今回はちょっと前に観ていて下書きしたまま塩漬けになっていた映画のことです。面白くなかったから放置していたわけではないですよ。念のため。どう書くか考えていたらちょっと時間がたっていました。細かいことが気になるのは僕の悪いクセ…とか言ってみたりw。ではでは。

「劇場版」最新作は新たな組織を相手に。

 

相棒-劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ

ということでテレビドラマシリーズも好調の「相棒」が早くも3度目の映画化。(スピンオフのX-DAYを入れると4作になりますかね。)かなり早いスパンで製作されている感はありますし、それ以外にも年末年始にはテレビで3時間枠の特番放送が多いことを考えるとよくネタがつきないなあと感心してしまいますが、今回は「絶海の孤島」というシチュエーションに縛りを入れることで過去の劇場版とは違ったアプローチになっているんじゃないかというのが特徴でしょうか。

今回の舞台になったのは東京から300kmほど離れた鳳凰島、と呼ばれている島。個人所有の孤島で死亡事故が発生したことがことのきっかけになっているのですが、この島は元自衛官で構成された基地が作られていて今も訓練が続けられているといういかにもアヤしい臭いがプンプンする場所なわけです。

なので警察庁の上層部から探りを入れるように命じられた二代目相棒の及川ミッチーこと神戸尊さんが特命係の二人に思わせぶりな言葉と旅券を置いていくところから今回の事件は幕を開けます。

この鳳凰島、当然ただの訓練施設なだけではなくて背後には自衛官を送り出している防衛省が控えていて、これが話を事態をより面倒かつ複雑な方向に持って行くことになるのですが、この辺りの自衛隊のスケール感は今回結構がんばっていると思います。

なにより個人的には自衛隊の松坂陸将補を演じられた嶋田久作さんの存在感はよかったですし(欲を言えばもっと出番があればなあ…とも思いましたが。)栗山参議院議員を演じられた吉田鋼太郎さんも一癖ある演技がいいですよね。(TVドラマのMOZUでもまた違った一面を観せて下さいましてこれもよかった。)反面、警察庁の偉い人たちは今回存在感が薄かったかなあ。

名探偵とミステリー

これまでの相棒シリーズですと警察組織のネットワークを駆使した捜査であるとか最新の科学技術であるとか、そういう方向で解決してストーリーが展開していくことが多かったのですが、今回の鳳凰島はそういったこれまでの手法が使えないことがひとつのポイントですね。

携帯は圏外なので衛星電話しか使えない、初動捜査に鑑識官が立ち会えない、殺人事件であった場合は部外者が全くいない孤立した環境ゆえに周囲からの証言も期待できない、という極度に閉鎖的な環境下に特命係の杉下右京、甲斐亨の両名が送りこまれたわけです。

さながら昭和の推理小説っぽく旅先で殺人事件に遭遇した名探偵と助手、のように仕立てようとしたんでしょうか。今作は「ミステリー」としての難度が高い、ということも売りにしていたようですが、ここは個人的にはちょっと残念なところではなかったかと思います。

結局、犯行状況を絞り込んでしまったために伏線がわかりやすいんですよね。フーダニットとしては意外性が全くない、と言うとキツいのかなあ。最後までシナリオが読めてしまった、っていうと見た側の驕りになるかもしれませんけど、どんでん返しはないです。

折角、自衛隊みたいな大きな組織を持ち出したんですから他にもやりようがあったとは思うんですけどね。キャストも揃っているわけですから警察庁VS防衛庁のベテラン俳優勢がぶつかり合う絵とか観たかったですし、途中から出てくる細菌兵器に関しても、その持ち出されたエピソードの部分が導入にはいっていればもう少し緊迫感が出たんじゃないかなあ、とも思いますよ。

ここは観てね。なところ。

ともあれ光る個性の部分も当然あって、釈由美子さんが紅一点ですが、かなり本格的なアクションに挑戦しています。序盤の民兵の訓練シーンもいいですし、後半ではかなり本格的な戦闘シーンにも挑戦しています。それに女性ならではの…な役どころも兼ねている今回の重要ポジションは彼女です。注目しましょう。

それにファンが結構多いと聞く大谷亮介さん演じる三浦刑事。ドラマシリーズの方ではある事件の際に重傷を負って既に退職しているのですが、今回の作品は時間軸がそれよりも少し前に設定されているようで元気に走り回っています。おそらくですけど今回が「トリオ・ザ・捜査一課」最後の活躍シーンかもしれませんね。

いろいろ書きましたけどシリーズとしてこれからも続けていくなかで新たな挑戦をし続けることは大事じゃないかと思います。近年の相棒はキャストの入れ替わりの時期が来ている感がありますけど、これから更に回を重ねていくことでより濃厚な人間ドラマができてくればもっともっと面白くなりそうな予感が致します。

オススメ度としては…
★★★☆☆ 星みっつ。65点くらいでしょうかねえ。辛いかなあ。でも良くも悪くもドラマの延長版なんですよね。テレビ朝日の看板ドラマだけあって潤沢な予算で作られている「お金掛かってます!」感は出ていますけど、どうしてもファン向け要素が強いんです。好きなヒトにはいいけど、これが初めての相棒だと面白さが伝わりにくいでしょうしねえ。悩むところもありますけど、僕の好みとしては「普通」に面白い、ぐらいが妥当なところではなかったかと思います。

まだまだ上映館数が多い作品ですのでドラマシリーズを欠かさずチェックしている方は楽しめるはずですので足を運んでみてはいかがでしょうか。それでは今日はこのくらいで。

お読み頂きましてありがとうございました。

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