2018-04-08

岩手銀行赤レンガ館でひとときのタイムスリップを楽しんでみたよ。

ご覧いただきましてありがとうございます。
キサラギ@kisaragi_Virです。

永久の未完成、これ完成なり。  宮沢賢治

「古い洋館」というとミステリー小説にでも出てくる建物のイメージが湧きますが、実生活であまり入ることが少ないのではないかと思います。僕は先日まで盛岡でお仕事をしておりまして、休日にいくつか観光名所を散策してみたのですが、その中でも気に入った建物が今回紹介したい「古い洋館」こと旧岩手銀行なのです。

正式名称は「岩手銀行赤レンガ館」と呼ぶそうで、その名の通り外観を赤いレンガで覆われた、レトロ感溢れる佇まいが印象的な建造物です。一般に赤レンガの建物と言えば横浜の赤レンガ倉庫や東京駅が有名ですよね。その東京駅を建てた建築家が辰野金吾さん、という方。東京駅が1914年の作品であるのに対して岩手銀行は1911年の作品。同じ建築家によって東京駅より3年前に作られたことになります。



なので外観はまるで小さな東京駅のようで、頑丈さと可愛らしさの両面が感じられる落ち着いた建物です。盛岡の中心市街地にありますのでちょっと足を伸ばせばすぐに見ることができるレンガ造りの存在は、盛岡市内でも一際目をひくランドマークになっていると思います。

外から見るのも良いのですが、もしも皆さんが盛岡に来ることがあれば、その時はぜひ館内まで見て行くことをおすすめします。それは何故かといえばやはりそこに「明治からの時間が止まった場所」であることを感じられるからです。

東京駅も赤レンガ倉庫もやはり明治時代から作られて現在に至りますが、その過程で現代風に作り変えられ使いやすく合理的になっています。ですので当時の趣を感じることは少ないのではないかと思います。でもそれは「現在でも機能すべく進化を繰り返している」からであって、そのこと自体は正しいのです。

岩手銀行は2012年までは銀行として機能していましたが、その役目を終えた後、約3年の時間をかけて内部の修復を行い現在の姿になったと聞きます。2012年まで現状を維持できたことも素晴らしいのですが、更に元あるべき姿に戻して観光名所として復活したことに意義があるのだと思います。

いわば「過去を伝える場所」として生まれ変わったその内部はまさに古き良き洋館でした。嵐の夜に明智小五郎や金田一耕助が訪れそうな大きな吹き抜けと、2階から続く回廊はため息が出るような美しさがあります。使われている木材は青森ヒバ。ヒノキ科アスナロ属に分類され、水に強く抗菌作用も強いそうです。外観のレンガに注目されがちですが、こういうところにも贅沢な素材が使われているのが長い時間その姿をとどめるのにも大切な要件なんでしょうね。

綺麗に磨き上げられた階段や親柱の柱頭にある飾りなども良い絵が撮れます。見ても楽しいですし、実際に階段を登ると古い階段特有の軋み音があって雰囲気があるなあ。などと感じたりしておりました。

外からだとわかりにくいかもしれませんが、中に入ると意外に窓が多いことが印象的です。なので少ない照明の割りには館内がとても明るく感じられます。華やかではありませんが落ち着いた太陽光が入る窓の表情が実に美しい。別に僕は建築に詳しいわけでもありません。いち素人が館内で感じただけの感想ですけど、とてもとても上品な建物だなあ、と思うことはできたのです。

館内には無料で見られる部分と有料の部分があって、無料でも十分に楽しむことができますが、一般の入館料300円でレンガ館に歴史に関する資料や映像コンテンツなども用意されているので是非ぐるりと一周回ってみることをおすすめします。

また、イベント会場としての一面もあって定期的にコンサートなども開催しているようなので、そういった機会に足を運べばまた違った絵も見えてきそうで楽しみですね。

この日は13時くらいに岩手銀行をお暇してちょっとお腹が空いたので、近くの老舗お蕎麦さんの東屋さんでお昼を頂きました。盛岡では有名な椀子そばを提供するお店です。ブロガーならここで椀子そばチャレンジしてひと記事書くのが王道なんでしょうけど、このあたりが僕は普通の人間なのでごく普通にざる蕎麦を食べて帰ってきました。ううん。椀子そばって多分思いつきで行くものじゃなくて、事前の準備なり体調管理をして心技体共に揃った時に初めてチャレンジするものじゃあないかと…。

もしも盛岡で休日を過ごすなら、こんなノスタルジーな一日を楽しんでみるのはいかがですか。

よければまた観てくださいね。それではこのあたりで。merci ♪

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