映画「3月のライオン」のロケ地、南昌荘で静かな休日を。
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キサラギ@kisaragi_Virです。
静かで明るくて何も怖くないところにいた。 桐山零
私事ですが、少し前まで仕事で盛岡に約2ヶ月ほど滞在しておりました。時期がら天候も良く、近場の観光名所に足を運ぶことができましたなかで趣を感じた建物が今回記事にします南昌荘。きっかけは僕が以前に観て、とても楽しく感じた映画「3月のライオン」のロケ地に使われた場所でもあります。
そもそも南昌荘とは?
南昌荘は明治18年、炭鉱事業で成功し材を成した地元の実業家、瀬川安五郎氏によって建造された近代日本家屋。当初は自宅として用いられましたが、日露戦争を境に事業が傾いて行くなかで当時の盛岡市長、大矢馬太郎氏に売却されることになります。
このことにより私邸から原敬、伊藤博文など政界の大物を迎える迎賓館としての一面を持つ文化的な建物として今日に至るわけです。現在は盛岡銀行の経営者、金田一勝定氏を経て「いわて生協活動組合」の所有建造物として運営されております。
とまあ、固い説明はこのくらいにして。盛岡という街はこういった文化的な建物が自然に街中に溶け込んでいるのが実に面白いですね。この南昌荘も住宅街の中に突然現れるくらいの存在で、地図を見ていかないと気がつきにくい場所にあったりします。
最寄りのバス停「岩手城跡公園」から歩くこと約10分程度の場所にあり、駅前からもそう遠くはないので気軽に足を運ぶことができますし、先ほど書いたような詳しい説明は入館すると、受付の職員さんが当時の資料や写真から詳しく案内してくれます。
入場料は200円。このクオリティの庭園を楽しめるなら実質無料みたいなものです。
旅の相棒はいつもと同じですが、OLYMPUSのOM-D EM1 MKⅡと一緒でございます。
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寂びと静謐を感じる。
さて、この南昌荘。やはり目を引くのは日本家屋としての美しさです。古より建立された名所、古刹のような長い時代のあるものと比べて比較的に時代が新しい建物だけにきちんと管理されて残っています。
その上で床や柱、天井の梁に到るまで磨き上げられたそれは、観るだけで時間を経過を感じることができます。欠けた仏像や跡地だけが残る史跡のような「失われた存在を感じる」ことが侘び、とすれば「積み重ねた時間を感じる」こと、つまり寂びの精神を感じることができる。日本人が古くから持つとされる美意識の世界観がそこにはあります。
邸内は一見すると平屋建てのように見えるのですが、メインの広間である「南昌の間」を含めた一部が中二階となっております。近代の日本家屋らしく庭園を臨む大部分の窓はガラス張りであり、四季折々の景観が来客を迎えてくれることでしょう。
艶々と磨き上げられ、ひやりとした床板を感じながら南昌の間に向かう感覚。かつて政財界の大物が歩んできた歴史ある舞台の上を、いまこうして僕が歩いている。そして緑鮮やかな庭園を前に静かに佇んでみる。なんとも贅沢な時間がそこにはありました。
写真だとわかりにくいかもしれませんが、この日は途中からあいにくの雨。しかしながら、それさえもこの空間では美しさを添える風景の一部となります。静謐な邸内、庭園を臨む木々は雨に揺れ、屋根を打つ雨音だけがホワイトノイズのように心を落ち着かせてくれます。
しばし座し、俗世から離れて放心するには最適な場所であると言えるでしょう。
新しい価値観を楽しむ。
冒頭にも書きましたが、この南昌荘は映画「3月のライオン」の最終幕で宗谷名人と桐山零が対局するドラマチックなシーンで使われたことでも有名な場所となっているようです。僕も仕事で盛岡にきて観光名所を探していたら「え、ここなの?」と驚いた次第で。
そういった縁もあってか邸内には3月のライオン関連のコミックだったり撮影時の写真であったりが残っていましたし、実際に撮影された演者さん、神木隆之介さんと加瀬亮さん、それに監督の大友啓史さんのサインも飾ってあったりしました。でも、これは行った人だけ楽しむべきかな。
いいですね。楽しませてもらった映画の世界観に浸りながら静かに。桐山零になった気分で南昌の間に正座して宗谷名人と対局する空気感を味わえるのもまたひとつ、新しい世界観なんだと思います。
そんな古くからの時間軸と新しい世界観が加わった「南昌荘」皆様も訪れてみてはいかがですか?
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